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2007年2月19日 (月)

希薄な当事者意識

2月12日、朝9時から「ATPEXAM」に出席。テレビマンユニオンのブースで終日、希望者たちとの面談に参加。予定時間を超え、最後は廊下での立ち話となってしまった。

 打ち上げの飲み会にも参加。若手の制作者たちと本音で語り合う。途中で失礼して帰宅、資料読みに入る。

2月15日、10時30分からテレビマンユニオンの採用会議。3次試験の出題案が決まらず難航し13時に閉会。14時、「あるある」問題で新聞社の取材を受ける。16時Dホテルのレストランで遅い昼食、18時、調査ワーキンググループ小委員会の会合に出席。いくつかの報告を聞き、討論。吉岡忍氏も出席、終了21時30分頃。吉岡氏と近所の和食店で焼酎お湯割りと魚で夕食。今年の「地方の時代」映像祭の新しい動きについて意見交換をする。23時過ぎ帰宅、追試の採点と日大芸術学部の来年度講義シラバスの校正をする。

2月16日、午後2時から東京全日空ホテル会議室で第3回調査委員会。入院してたはずの音氏が現われた。かなり元気そうで、本当に良かった。会議は、小委員会の報告を中心にさまざまな議論。残念ながら内容は書けないが、関西テレビの方々に席をはずしてもらい、報告書の感想を述べ合う。同局のメディア対応の姿勢転換のための意見も出た。

 終了後、取材の2社と会う。電話取材2社、ほかに留守電2社。19時、代々木上原で作家の石井清司さんと夕食。かねて約束していたのだがなかなか実現できず、久し振りの夕食会となった。予定した店が満員だったので、別の店でヒレカツとサラダでビールを飲む。

 

<私の個人的な若干のメモ>

       奇妙なことに、「あるある」について、関係者の当事者意識が少ない。みんな「だまされた」被害者という風情だ。それぞれの役割を持ってひとつの番組は関係した人は、みんなそれなりの責任を持っているはずだ。当事者意識を持っているのは担当のAディレクターはじめ2~3人にしか過ぎない。

       この問題をめぐる議論で一番多いのは、「BPO声明」に典型的に見るように、下請け構造が原因とするものだ。しかし、制作会社への分業体制がけしからんとするのは見当はずれもはなはだしい。テレビ番組を全部、テレビ局の社員がつくれという時代遅れの、かつ、見当違いの主張である。「文芸春秋」の記事は全部文芸春秋社の社員が書くべきだという(ナンセンスな)主張をするのと同じである。分業と請負・委任、個人の能力と責任などの問題を混同している。なにより、専門家とはなにかという問題意識が。

       チェック体制やチェック能力が問題にされるが、これもおかしな議論である。「7回のチェック機会を見逃した」という新聞報道は典型。現在、テレビ番組は必ずしもリアルタイムでは見られていない。スポーツ中継などを別にして、HDDVD録画で見たいときに見る人が多い。逆に言えば、番組は24時間いつでも、だれかに、どこかで、見られている、つまりチェックされているのである。「あるある」は1,2年前からネット上では、実験にアルバイトで参加した人のおかしいという報告など、さまざまな疑問の声が噴出していた。単行本も出版されているくらいである。つまり番組は社会と共に呼吸しているものだ。この関係に鈍感な放送マンこそが問われるべきだろう。ネットで自社製品の悪口をみて、「おい、お前の番組いろいろ書かれているけど大丈夫か?」と声をかける人はいなかったのであろうか。「便所の落書き」と無視していたのであろうか?その鈍感さは検証されねばなるまい。

       人はなぜテレビにでるのか?かつてP・ブルデューは「メディア批判」の冒頭でそう問いかけた。まさに「あるある」問題は、科学者とテレビ出演の関係性も顕在化した。コメントした学者たちの協力ぶりは否めない。新聞記者の質問には「だまされた」と言いながら。「週刊朝日」によると、このシリーズに10回以上出演している学者もいる。アカデミズムの退廃の一面を見る。

 ⑤ キー局社長が新聞記者とのオフレコ懇親会でしたという問題発言を漏れ聞いた。いまどき「オフレコ約束」は、当面、記事にしないというだけの意味でしかない。それとも、漏れることを想定して、キー局への調査波及を牽制した意図なのだろうか。

   

2月18日、「あるある」のDVDを数本見てから、夜、小委員会会合に出席。報告と検討。帰宅して「AURA」対談、「エイジング」連載原稿、日大来年度シラバスなどの校正作業。シラバスに「なぜ、情報番組の捏造事件は起きたのか?」の項目を追加する。

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